2011年5月21日土曜日

ゲームは子供が遊ぶもの? 現役「大人ゲーマー」のみなさんに、どんなゲームで遊んでいるか聞いてみました

 ニンテンドーDSやWiiのヒット以来、一度はゲームを卒業してしまった「大人層」が、ふたたびゲームに舞い戻ってきている――。そんな話を最近あちこちで耳にします。

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 言われてみれば、WiiのテレビCMで楽しそうに遊んでいる人たちはほとんどが大人ですし、サラリーマンやOLが電車の中でDSやPSPに興じている光景も、今ではすっかり普通になりました。またセガの「龍が如く」シリーズのように、明らかにこれまでより“上”の層をターゲットにしたタイトルや、フロム?ソフトウェアの「3Dドットゲームヒーローズ」のように、あえてレトロな映像にこだわった作品も人気を集めていたりします。

 これまで一般的に、ゲームユーザーのボリュームゾーンは10代後半?20代前半と言われていました。しかし、それも今となっては昔のこと。今やゲームは子供や学生だけのものではなく、「大人も楽しめる」娯楽になったと言ってもいいのかもしれません。

 でも実際のところ、どんなゲームが「大人向け」と言えるのでしょうか? ここではまわりの「大人」たちにご意見をうかがいつつ、実際に「大人が遊んでいるゲーム」のパターンを大きく5つに分類してみました。

●「25?49歳」のゲームユーザーは約1200万人!

 コンピュータエンターテインメント協会(CESA)が2009年に行った調査によれば、日本における家庭用ゲーム人口はおよそ3100万人。実はこのうち4割近くにあたる約1200万人を、25歳から49歳までのユーザーが占めているのだそうです。

 特に「35?39歳」と「40?49歳」のゲーム人口は、それぞれ339万人、361万人と非常に多く、これは「3?9歳」と「10?14歳」に次ぐ堂々の3位、4位。実は高校生や大学生よりも、働き盛りの社会人の方がゲームで遊んでいるという、ちょっと意外な結果となっています。特に学生時代にファミコンのブームを経験した「ファミコン世代」は、今でもゲームで遊んでいる人が多いということかもしれませんね。

●A:テーマや表現が大人向け

 ゲームのシナリオと言えば、昔は「ヒーローがお姫様を助けに行く」とか「勇者が仲間を集めて大魔王を倒す」といった、良くも悪くもシンプル?単純なものが大多数を占めていました。しかし最近では、任侠ドラマの世界をそのままゲームに持ち込み、大人でも楽しめる重厚なドラマを描いた「龍が如く」シリーズや、まるで映画のような演出?ストーリーを疑似体験できる「コール?オブ?デューティ」シリーズなど、大人でも腰を据えてじっくり楽しめる作品がぐんと増えてきました。

 そのほかテーマが大人向けという意味では、歴史モノのシミュレーションゲームやD3パブリッシャーの「ドリームクラブ」、また表現が大人向けという意味では、Wiiの「MADWORLD」のように、激しい暴力表現を含むゲームなどもここに含めていいかもしれません。

【挙がった主なタイトル】

?「龍が如く4 伝説を継ぐもの」(PS3):「堂島の龍」と呼ばれた伝説のヤクザ?桐生一馬を中心に、裏社会を生きる男たちのドラマを描いた人気シリーズ最新作
?「コール オブ デューティ モダン?ウォーフェア2」(PS3/Xbox 360):全世界で1000万本以上を販売したメガヒットタイトル。特殊部隊「タスクフォース141」の隊員となり、国際的テロリストたちと戦っていく
?「ドリームクラブ」(Xbox 360):ピュアな紳士の社交場「ドリームクラブ」で、魅力的なホストガールたちと楽しくお酒が飲める新感覚恋愛シミュレーションゲーム

●B:家族で遊べる

 親としての立場上、あまり家で堂々とゲームするのは……という人も中にはいらっしゃることでしょう。しかしそんな人でも、「家族みんなで遊べるゲーム」なら大丈夫、という意見がけっこうありました。まさにWiiのテレビCMで流れている光景そのまんまですね。

 ここでは「Wii Sports Resort」や「NewスーパーマリオブラザーズWii」、また昨年脅威のロングランを記録した「トモダチコレクション」などが多く挙がりました。ゲームを使って家族のコミュニケーションを深めるなんて、なんともイイ話です。たまには「NewスーパーマリオブラザーズWii」で、“カッコイイお父さん”の姿を見せてあげるのもいいかもしれません。

【挙がった主なタイトル】

?「Wii Sports Resort」(Wii):カヌーやチャンバラ、ウェイクボードなど、リゾートをテーマにした12種類のスポーツを新たに収録した「Wii Sports」の続編
?「NewスーパーマリオブラザーズWii」(Wii):懐かしの「2Dマリオ」がWiiに! さらに本作では、最大4人まで参加可能な同時プレイも可能になり、ますます楽しく進化しています
?「トモダチコレクション」(DS):自分のマンションに友達や有名人のMiiを住まわせて、そこで巻き起こる様々な人間関係を楽しむゲーム。CMでおなじみですね

●家族でゲーム、してますか?

 家族みんなでゲーム。CMなどではよく見かける光景ですが、ところでホントにみんな、そんなに「家族でゲーム」してるんでしょうか?

 これについてもCESAが調査を行ってくれていました。2009年に行われた一般生活者調査によると、「家庭用ゲームを誰と遊ぶか?」という質問に対し、「家族と一緒に」と答えた人は全体の実に32%にものぼったそう。依然として1位は「自分ひとりで」(57%)ですが、昔に比べれば差はかなり縮まったと言えます。あなたは「家族でゲーム」、したことありますか?

●C:レトロな雰囲気を懐かしむ

 あえて時代に逆行し、昔のレトロな雰囲気のゲームを懐かしむのも大人ゲーマーならではの楽しみ方です。フロム?ソフトウェアの「3Dドットゲームヒーローズ」などは、まさにそんな「大人ゲーマー」のハートをがっちり捕えた作品。どこかで遊んだことがあるような、懐かしいグラフィック、懐かしい演出の数々に、きっとあなたの思い出ゲージは振り切れる事間違いなしでしょう。最新ハードであるにもかかわらず、あえて思いっきりファミコン風の演出にこだわった「ロックマン10 宇宙からの脅威!!」なども、ファミコン世代にはたまらないモノがあります。

 そのほか「ドラゴンクエストVI 幻の大地」のように、かつての名作を現代の機種でリメイクしたタイトルも「大人ゲーマー」には嬉しい作品。リメイクとはちょっと違いますが、「NewスーパーマリオブラザーズWii」なども、昔懐かしい「2Dマリオ」の手触りそのままで楽しめました。

【挙がった主なタイトル】

?「3Dドットゲームヒーローズ」(PS3):3Dなのにドット絵のような、不思議なグラフィックで話題を呼んだ作品。ゲーム内容も懐かしの名作へのオマージュ?パロディが満載です
?「ドラゴンクエストVI 幻の大地」(DS):ご存知「ドラゴンクエスト」シリーズの第6作目。実はこれまで他機種に移植されたことはなく、実に14年越しの初リメイクとなっています
?「ロックマン10 宇宙からの脅威!!」(DS):好評だった前作「ロックマン9」に続く、「ロックマン」シリーズ最新作。あえて最新ハードでファミコン風グラフィックを貫く心意気は今回も健在

●D:趣味?実用系

 最近ではDSのブームにより、資格取得や脳トレといった「実用」系タイトルも数を増やしてきています。自由に使える時間が少ない大人にとって、遊びや趣味の時間もできれば有効に使いたい――と考えるのはごく自然なこと。DSの「脳トレ」があそこまでのヒット商品となった裏側には、「遊びながら脳も鍛えられる」というある種の「お得感」が大きく作用していたのではないでしょうか。

 そのほか、車や釣り、将棋や麻雀といった「趣味」系ゲームもある意味では「大人向け」。こうした「現実の遊びのシミュレーション」は昔からゲームが得意とするところでしたが、最近ではスペックの向上により、ますますトンでもないことになっています。グラフィックはもちろんのこと、実際の車と何ら変わらない挙動を再現した「グランツーリスモ」シリーズなどは、レースゲームの中でも特に「大人向け」な作品と言えるでしょう。

【挙がった主なタイトル】

?「グランツーリスモ5」(PS3):リアルな挙動と、豊富な登場車種、実写さながらの美しいグラフィックが特徴の「グランツーリスモ」シリーズ最新作
?「パチパラ15 ?スーパー海IN沖縄2?」(PS3):パチンコ店で人気の2大機種をリアルに再現。当たり確率や釘の設定を自由に変えられるなど、実践で役立つ機能が満載です
?「東北大学未来科学技術共同研究センター川島隆太教授監修 もっと脳を鍛える大人のDSトレーニング」(DS):国内だけで約500万本を販売した、ご存知「脳トレ」ブームの火付け役。ほとんどの人が遊んだことがあるのでは?

●E:カジュアルゲーム

 ちょっとした空き時間に、ブラウザや携帯電話から気軽に遊べる「カジュアルゲーム」も、大人に人気のジャンルです。子供に比べて、大人はどうしても自由に使える時間が限られますから、遊びたい時にすぐ始められて、やめたい時にすぐ止められる――という点はけっこう重要。またゲーム機を持っていなくても、PCや携帯電話といった身近なハードで遊べるところも人気の源となっているようです。

 こうしたカジュアルゲームを集めたポータルサイトでは、携帯電話なら「モバゲータウン」や「GREE」、PCなら「ハンゲーム」などが定番。そのほかWeb上で公開?運営されているゲームなども、広い意味では全部カジュアルゲームと言えますね。最近では「mixi」にも「mixiアプリ」が実装されましたし、こうしたカジュアルゲームは今後さらに増えてきそうです。

【挙がった主なタイトル】

?「ブラウザ三国志」(PC):都市を発展させながら領土を拡げ、広大な大陸の統一を目指すシミュレーションゲーム。ブラウザだけで遊べる手軽さが魅力
?「釣り★スタ!」(携帯電話):CMなどでおなじみ、携帯電話用SNS「GREE」の人気コンテンツ。様々な竿や仕掛けを組み合わせ、大物を釣り上げて自慢しましょう
?「Maru-Jan」(PC):オンラインで日本中の相手と対戦が可能な、PC用麻雀ゲームの定番。実写さながらのリアルなグラフィックも特徴です

●ゲーム機で遊ぶだけがゲームじゃない!

 最近では携帯電話やパソコンなど、ゲームが遊べるプラットフォームは本当に多くなりました。昔はゲームのことをまとめて「ファミコン」と呼ぶ人もいたりしましたが、今では考えられないことですね。

 さて、これまた「2009 CESAゲーム白書」からの引用ですが、ゲームユーザーがどんなプラットフォームでよく遊んでいるか尋ねたところ(上位3つまで回答可)、携帯電話?PHSのゲームを挙げた人は35.9%、パソコンのゲームを挙げた人は27.7%という結果になったそうです(グラフ参照)。依然として主流は携帯型ゲーム機や家庭用ゲーム機ですが、携帯電話やパソコンで遊ぶ、いわゆる「カジュアルゲーム」もかなりの勢いで浸透してきていることがうかがえます。

 ――さて、そんなわけでざっくりとではありますが、実際に大人のみなさんが遊んでいるというゲームを、ここではざっくりと5つのカテゴリに分類しつつ紹介してみました。

 こうして見ると、映画を見るような感覚で腰をすえてじっくりゲームを楽しむ人もいれば、家族でWiiを囲んでワイワイ遊んだり、空いた時間に携帯電話でちょこっと遊んだりと、一口に「大人向けゲーム」と言っても、その遊び方、楽しみ方は人それぞれであることが分かりますね。

 かつてはゲームと言えば、「子供がテレビの前に座って遊ぶもの」であり、それ意外のプレイスタイルを求める人たちは容赦なく切り捨てられてしまっていました。そうした娯楽としての懐の狭さが「ゲームからの卒業」を引き起こしてしまっていたのではないかと個人的には考えています。

 ところが最近では、ハードの進化や、遊べるプラットフォームの多様化などによって、「もっと重厚なドラマを楽しみたい」、「ごく短時間でサクッと遊びたい」といった、より幅広い要求に応えられるだけの環境?タイトルが揃ってきた。こうした背景こそが、「大人ゲーマー」の増加につながっているのではないでしょうか。

 ゲームなんて子供が遊ぶもの、ゲームなんて遊ぶ時間がない――もしそう考えて、ゲームで遊んでいない人がいるのだとしたら、それはちょっともったいないかもしれません。上で挙げたタイトルを参考に、あなたに会った「大人向けゲーム」を探してみてはいかがですか?【池谷勇人】

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引用元:RMT

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